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受け口(下顎前突)

下顎前突

受け口とは上下の歯の噛み合わせが通常と逆になっている状態のことを言います。一般的には、上顎の歯が下顎の歯よりも少し前に出ているのが正常ですが、受け口では下顎の歯が上顎の歯よりも前に出てしまっています。このような咬合形態を下顎前突と呼びます。下顎前突は、反対咬合やしゃくれとも呼ばれます。


・下顎前突の原因


下顎前突の原因は、遺伝的要因や環境的要因などが考えられます。遺伝的要因としては、両親や祖先から受け継いだ顎骨や歯の大きさや形などが影響します。例えば、下顎骨が大きすぎたり、上顎骨が小さすぎたりすると、下顎前突になりやすくなります。環境的要因としては、幼少期の癖や生活習慣などが影響します。


下顎前突の先天的な原因

・下顎前歯の突出


先天的な原因の一つとして、下顎前歯の突出が挙げられます。これは、下顎の前歯が上顎の前歯よりも前方に位置する状態で、この場合奥歯は正常に噛み合っていることが多いです。このような状態を歯性下顎前突と呼びます。


・上顎の後退


上顎の後退による下顎前突は、上顎骨が小さくて奥まっている状態のことです。このような状態は遺伝的な要因のほかに、胎生期の発育障害や鼻呼吸の障害などによっても起こることがあります。


・下顎の前突


下顎の前突は下顎骨が大きくて前方に突き出ている状態のことです。このような状態を骨格性下顎前突と呼びます。骨格性下顎前突は、遺伝的な要因が大きく関与しており、家族性や人種的な傾向が認められます。


後天的な要因

・舌の癖、形態


後天的な原因として、舌の位置や形態が影響することがあります。舌は、上顎骨や歯列に対して大きな力を及ぼします。舌が低位にあったり、前方に突き出たりすると、下顎骨や歯列に異常な力がかかります。これは、舌癖やタングトラストと呼ばれる状態です。舌癖やタングトラストは、指しゃぶりや口呼吸などの癖や習慣によっても引き起こされることがあります。


下顎前突による弊害

・咀嚼が困難になる


下顎前突による弊害の一つとして、咀嚼が困難になることがあります。下顎前突では、上下の歯が噛み合わず、食べ物を噛み砕きにくい場合もあります。このようにして、咀嚼が困難になると、食べ物を大きいまま飲み込んでしまったり、食事時間が長くなったりします。


・顎関節症


顎関節とは、耳の前にある関節で、上顎骨と下顎骨をつないでいます。この関節この関節は、口を開けたり閉じたりするときに動きます。下顎前突では、顎関節の位置や動きが正常でなくなり、顎関節に過度な負担がかかります。これによって、顎関節症になる可能性があります。


・発音障害


下顎前突では、歯や唇や舌などが正常な位置にないために、声をうまく変化させることができない場合もあります。発音障害は、コミュニケーションや自己表現に支障をきたすことがあります。


下顎前突の治療

・矯正治療


軽度な下顎前突ならば矯正治療で改善が見込めます。奥歯の咬み合わせから正しい位置に誘導することで、上下の噛み合わせが逆になっていた部分が正常な噛み合わせに治ります。


・外科的治療


外科的治療とは、口腔外科医によって行われる治療で、手術を行って上顎骨や下顎骨の大きさや形態を変えていく治療です。外科的治療は、矯正治療だけでは改善できない骨格性の下顎前突に対して有効な治療です。しかし、外科的治療にはリスクや費用が高いことや、回復期間が長いことや、術後のケアが必要なことも知っておく必要があります。


・習慣の改善


習慣の改善は、下顎前突の予防や進行の防止に役立つだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。口腔周囲の筋肉のトレーニングや習癖を取り除くような装置を併用することもあり、主に幼少期に取り入れるのが効果的です。